皆さんは「ハッピーアイスクリーム」って聞いたことありますか?
昔流行ったわ!とか、懐かしい!と思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では
- ハッピーアイスクリームとは何か
- ハッピーアイスクリームのルーツである少女漫画について
- その少女漫画の作者である岩舘真理子さんについて
- ハッピーアイスクリームのアレンジバージョン
を紹介します。
ハッピーアイスクリームとは同時に同じ言葉を言った時に使うのだ
この前娘と話していたら、咄嗟に出た2人の言葉が重なったのです。
娘「わーい!ハモった!」
と喜ぶ娘の脇で、私は即座に早口で言いました。
「ハッピーアイスクリーム!」
と。
娘「何それ?」
私「同時に同じ言葉を言った場合、先にハッピーアイスクリームって言った方が勝ちで、アイスをおごってもらえるのよ」
娘「へー」
これは私が中学生の時にはやっていた遊びで、ふいに声が重なったらアイスクリームをおごってもらえるように、あるいはおごらなければならない羽目にならないように、急いで「ハッピーアイスクリーム!」と叫んだわけです。
実際におごったりおごられたりした事はないのですが、勝った!とか、ああ負けた…みたいなのを楽しんでいたんですね。
誰が最初に持ち込んだ遊びなのか、いつからみんなの間に広まったのか…
何一つ定かではなかったのですが、成人してからも時々言っていましたよ。
声が揃った瞬間、今だ!みたいな感じで必死に言うのが中2っぽくて面白いのです。
「初恋時代」という少女漫画がルーツらしいぞ
不思議なのは、別の中学出身の人に聞いても知らないと言われる事が多かったこと。
先輩や後輩、会社の同僚に聞いても同じ。
けれどたまに知っている人にも出会う、ということは私が通っていた中学だけで流行ったわけではなさそうなのです。
この言葉のルーツは、どうやら2つの少女漫画にあるようなのです。
其の1【初恋時代】すてきな出会いの巻(昭和50年)
「いまはやってるのよ これ ふたりが同時におんなじことばをいっちゃったとき ハッピーアイスクリームって先にいったほうが勝ちなの いえなかったほうはアイスクリームおごるのでーす」
これは『週刊マーガレット』(集英社)で連載されていたもので、その中の一幕。
いやぁ~昭和50年て、まだ生まれてません…
其の2【アラミス’78】ハッピーアイスクリーム(昭和56年)
「ゲームだよ 二人で同時に同じこといったら さきにハッピーアイスクリームっていったほうが アイスクリームをおごってもらえるってわけ」
こちらは昭和53年から59年にかけて『別冊少女フレンド』(講談社)で連載されていたもので、こういうセリフが出てきたのだそうです。
どちらも少女向けの漫画雑誌ですよね。。
時系列でいくと、『初恋時代』の作者である岩舘真理子さんという方が発明した遊びであり、ルールなんでしょうかね。
内館牧子さんかと思って焦りましたが、別人です。
横綱の初恋話ではありません。
私たちが中学生の時にしていた事は、この漫画のセリフそのまんまです。
けれどこの漫画を私は知りませんでした。
同級生の誰かがこれを読んでいたのか?
確かに周りには少女漫画好きの女子は多かったですから、有り得そうです。
*「ハッピーアイスクリーム」という題名のコミックもありますが、それがここで言う遊びと関係があるのか、知っている方いらっしゃいましたら情報提供をお願いします。
*筋肉少女帯の「ハッピーアイスクリーム」という曲の歌詞には、ルーツと関係のありそうなワードは出てきませんよね。詳しい方いらっしゃいましたら情報提供をお願いします。
少女漫画の作者である岩舘真理子さんのトリコになりました
少女漫画がルーツだと分かったからには、どうしてもそのシーンを見てみたくなったのです。
50年ちかく前のマンガ本などもう無いだろうと思っていたのですが、Amazonで見つけました。
【初恋時代~前後編セット~】
中古なんですが、状態は良さそうでしたのでポチッとな、ですぐに届きましたよ!
もう~ね、虜ですよ、真理子さん。
高校2年生の女の子の初恋を描いたキュンキュンものなんですが、私は色んな場面でキュンキュンさせられることになったのです。
キュンキュンぽいんと①
主人公いずみの友人ケーコが、憧れの谷くんにアタックするため同じクラブに入部します。
けれどそんな大事な時ににきびができてへこんでいるケーコ。
ケーコを元気づけようと、いずみも同じクラブに入部して応援する、と言ったはいいが連れて行かれたのは「コント部」
そこでコント研究会の新入部員公開テストと称して大勢の前で大喜利をさせられ、ドンズベリするというシーン。
けれどそのどっちらけぶりがかえっておもしろいという理由で評価され、入部する流れに。
これ、主人公の初恋とはほぼ関係ないんですが、最後の最後までコントシーンは出てきます。
しかもコントの内容は一般の方が応募したネタで、枠外にコント投稿者の名前が書いていあります。
ギャグ漫画の要素が12%くらい入っていますね。
キュンキュンぽいんと②
主人公の母親がザマス系気質で、周りの登場人物と馴染んでいな過ぎたり、コント研究会の講習内容がしょーもな過ぎたり、バス停に向かう女子高生の後ろにスナックぽっぽっぽという看板が見えたり
細かいところがクスッと笑えるんです。
どんどん読み込みたくなって、色んなところに面白いことが潜んでいないか探したくなりますよ!
キュンキュンぽいんと③
そしてもの凄く心がクチュクチュするのは、占いがたくさん登場する点です。
- 右手の人差し指の指紋で見る性格占い
- 耳のかたちで見る性格占い
- ふたりの恋の成功度を占うパーセント占い
- 恋のこより占い
- 恋の組み手占い
- イニシャル占い
こういうの昔好きだったなぁ~とか、そういう本持ってたなぁ~とか、若かりし頃を思い出しました。
ハッピーアイスクリームのアレンジバージョンも存在する
「ハッピー飴」
「ハッピータイム」
「ハッピーストップお返しなし」
こんな風に地域によって少しずつ変化しているようです。
確かに我々も、アイスじゃなくチョコの方が食べたい、ということで
「ハッピーチョコレート」
と変化させて言っていました。
伝わっていく間に違った形へと変わっていくのは、何も不思議ではないです。
何事も時代の流れと共に変化し、進化してゆくのですからね。
ハッピーアイスクリームのルーツ:まとめ
岩舘真理子さん作「初恋時代」に、確かにハッピーアイスクリームが登場しました。
それで何となく頭の隅からじわじわと湧いてくる記憶が…
10代の女子が読むファッション誌に、学校で遊べるネタが載っているコーナーがあって、私はそのコーナーを熟読していました。
何か面白い遊びはないか、毎日そればかり考えていたものです。
そのコーナーに「ハッピーアイスクリーム」が載っていたような気がするのです。
あくまでも私の考えですが
「初恋時代」を読んだことのある雑誌編集者の方が、昭和の少女漫画に出てきた遊びを平成に広めようと取り上げてくれたのではないかと思ったのです。
広まったら面白いな、と思ったのかもしれません。
その雑誌を読んだ当時のティーンの一部で広まったけれど、現代のSNSと違って派手に拡散されることもなく、しかしじわじわと知名度を根付かせていったのではないか、というのが私の見解です。
地域によって女子の趣向も違いますし、雑誌の普及具合も違ったでしょうし、そのコーナーを読んで興味を持ち、実際に口に出して遊んだかどうかで広まり方に差があったと考えられます。
誰に聞いても答えられないかもしれない疑問ですが、ルーツはしっかりと確認しました。
いかがでしたか?
皆さんの周りに早口で「ハッピーアイスクリーム!」と叫んでドヤ顔している人はいませんか?
もしいたら、そのルーツを教えてドヤ返ししてください!
生まれて初めてネットで買った少女漫画は、私の感性に最大級にヒットした作品であり、本当に買って良かったものです。
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