スポーツをしている、していないに関わらず、しなやかな身体になるために必要不可欠なのがストレッチです。
つい頑張ってしまって痛みを伴い、すぐに嫌になってやめてしまったという経験はありませんか?
痛みは物事を続けられなくする要因になります。
そこで使用したいのがストレッチ用のポール。
エクササイズポール、ヨガポールと呼ばれることもあります。
この記事では
- ストレッチ用ポールを使うとどんなことが起こるか
- 通常のストレッチと何が違うのか
- ストレッチ用ポールの選び方
- 実践例と気をつけること
を紹介します。
買ったはいいがあまり使えていないという方も参考にしてくださいね!
ストレッチ用ポールを使うとどんなことが起こる?
大胸筋の開きと胸郭が広がるイメージ
ポールの上に仰向けになり両腕を楽に広げると、腕の重みで大胸筋(胸)がグッと開いていきます。それに伴い胸郭(胸部にある胸骨・肋骨・胸椎からなるかご状の骨格で、心臓や肺などの臓器を保護する役割)が広がる感覚があります。胸郭が動くことで自然と呼吸が深くなり、リラックスできます。
僧帽筋を刺激
仰向けになり両腕を広げることで、僧帽筋(首・肩から背中にかけての筋肉)にポールが当たり刺激を受けます。ただ寝ているだけでもマッサージされているような気持ち良さがあり、肩こりの私には嬉しい効果です。
脊柱起立筋を刺激
仰向けになり両腕を天井に向かって持ち上げると、脊柱起立筋(背骨から腰骨まで背中の中心部を縦に細長く走る筋肉)を刺激してくれます。自分の腕の重みが加わることでしっかりとポールに押し付けられるような感じです。
肩甲骨の可動域が広がる
仰向けの状態でゆっくりと肩を回していくと、腕の重さも手伝い大きな動作ができるようになります。自分で頭を支える必要が無い分、首の力がぬけてリラックスしたまま続けることができます。起き上がった状態でやるよりもかなりやりやすいうえに可動域が広がります。
体幹が整う
使い初めは少し動くだけでもグラグラしていましたが、続けているうちに安定してきます。体の使い方を自然に覚えているということもあると思いますが、軸がしっかりしてきた感じがあります。片膝を曲げたまま反対の脚を伸ばして浮かせる姿勢をとった時等は、安定感の変化が顕著です。
通常のストレッチとの違い5つ!
上半身のストレッチ
座ったまま、或いは立ってのストレッチの場合、頭を支えるためや上体をキープするために体の様々な筋肉が緊張している状態で行なうことになります。そのせいで思うような動きがきでなかったり痛みを伴います。その点ポールを使う場合は仰向けになるということもあり、筋肉の緊張がほぐれた状態で行い、関節の可動域を広げることができます。
下半身のストレッチ
道具を使わず仰向けでストレッチを行う場合もリラックスしてできますが、更にポールを使うと高さがある分通常よりも広い範囲で動かすことができます。脚を伸ばすだけで腸腰筋群や内転筋群を刺激することができます。
マッサージ効果
ポールの上に仰向けになるだけで僧帽筋や脊柱起立筋に刺激が入り、自分の体重によってマッサージ効果を得ることができます。ほんの少し横にゆらゆらすると更に効果はアップします。自分で背中をマッサージするなんて普通ならできませんから、このメリットは大きいです。
体幹トレーニングを兼ね備えている
両足を床につき両腕を広げている時は良いのですが、片足を上げる・曲げる・開く、片腕を上げる・倒す・両腕を上げる等の動作をする時、慣れないうちは必ずぐらつきます。すると体がバランスをとろうとするため、自然と体感が鍛えられていくというわけです。
体が硬い人に適している
前屈や開脚ストレッチは、体が硬い人にとっては地獄のような時間となります。これでは長く続けることはできませんよね。ポールを使えばリラックスした状態で無理なく行うことができます。「痛い!」の手前で止めても十分様々な効果が期待できますし、痛くなければ続けられます。
ストレッチ用ポールの選び方
長さ
ストレッチ用ポールは直径が15㎝、ロングタイプと言われる物は長さが85㎝から100㎝前後の物が一般的です。自分の身長と柔軟性や、体の痛みの有無等に応じて選んだ方が良いです。
私は身長151㎝で、90㎝と98㎝の物を使っています。あまり短いと頭がはみ出たり、腰がしっかり乗らないんじゃないかな?と思います。
身体のバランスをとることに不安のある方や、痛みのある方、または持ち運ぶ機会の多い片はハーフカットタイプの物がおすすめです。長さがロングタイプの半分ほどで、半円状になっているのでぐらつく心配もありません。
素材
「発砲オレフィン系樹脂」
高品質なので長く使用したい方、使い心地の良い物を求める方はこれがオススメです。適度に柔らかく耐久性があり、更にカバー付きの物なら清潔に使えます。値段は5千円前後。
「EVA素材」
適度な柔らかさとフィット感が良いです。発泡オレフィン系樹脂ほど耐久性は高くありませんが、十分使えます。表面が凸凹しているタイプはマッサージ効果が優れているように思います。
3千円前後からあるようですね。
「ポリエチレン」
安価ですが長くは使えないと思われます。体の重みで変形するので、長期で使いたい方にはおすすめしません。
実践している動作を紹介!
*小学生の息子に撮影の協力をしてもらいました。
身長は145㎝で、90㎝のポールを使用しています。
ヨガマットを敷いておこなうと、ポールも手足もグリップし滑りにくいのでおすすめです。
楽な姿勢をとる準備と深呼吸
ポールから頭や腰が落ちないようにゆっくりと仰向けになります。
斜めになっていたり体がはずれていないか確認します。
足裏をしっかりと床につき、軽く膝を曲げます(↑写真はちょっと曲げ過ぎ)
両腕は楽にして、肘が床につくようにだらんとします。
この時、胸が開き胸郭の位置が上がったような感覚になりますので、ゆっくりと呼吸していきます。
ポールが僧帽筋を刺激してくれるのを感じましょう。
キモチイイ キモチイイ キモチイイ
肩甲骨と背中
常に深呼吸です。
★両腕の力を抜き、天井に向けて上げてみましょう。
すると背骨とその傍の筋肉(脊柱起立筋)に、より刺激が入ります。
★顔の前で腕をクロス。
★両肘を引いて床につける。
クロス→肘をひく を繰り返し、肩甲骨を動かします。
10回~20回行うと良いでしょう。
★肘を寄せてから大きく円を描くように腕を回します。
外回し、内回しを2回づつ繰り返します。
★片手を上げて体側をストレッチしながらしっかりとバランスをとりましょう。
左右両側行います。
★肩甲骨の可動域が広がってきたらバンザイをして伸びます。
硬い人は辛いかもしれませんので、腕を広めに開くと良いです。
下半身と体幹
常に深呼吸です。
★膝を伸ばしつま先を内側に倒します。
この時、腰のS字カーブが浮いてしまうと腰に負担になりますので、ポールに腰をグッと押しつけるようにします。
★次につま先を外側に倒します。
これを何度か繰り返し、最後は内と外にぶらぶら「バイバーイ!」の動作になります。
腰がきつい方は長い時間はしません。
普段かたまっている股関節周りの筋肉(腸腰筋)を緩めていきます。
膝を曲げて行うと更に負荷がかかりますので、自分の身体と相談しながら柔軟性を身につけましょう。
特に女性は硬くなりやすい部分ですので、定期的に行うと良いです。
★片膝をお腹に引き寄せ、手で押さえます。
ぐらぐらするので、体の軸を意識して制止します。
左右行います。
★片脚を伸ばして膝の高さに持ち上げます。
慣れないうちはぐらぐらしますので、耐えましょう。
★慣れてきたら伸ばした脚を上げてみましょう。
体幹を鍛えつつ膝裏のストレッチを行います。
↑写真はぐらつきに耐えるのが精一杯で膝が伸びていません。
★最後は元の姿勢に戻り、改めて深呼吸です。
リラックスしたまま左右に少しゆらゆらすると、背中と腰がマッサージされます。
気をつけるべきこと
仰向けになる時、膝を曲げて足裏をしっかりと床につけて姿勢をとります。リラックスできていれば問題ありません。
気をつけるべきは膝を伸ばして行う動作です。
膝を伸ばしつま先を左右に振ることで股関節の緊張を緩めていくのですが、この時腰が浮いてしまうと、反り腰になりかなり負担がかかります。お腹を沈めるように力を入れ、腰のS字部分が浮かないよう、ポールに押し付けるような感じで姿勢をとりましょう。それでも違和感がある場合は、短時間で区切って行うと良いです。
ストレッチ用ポールを使うことの効果:まとめ
ストレッチ用のポールを使うことで得られる効果はたくさんあります。
- 胸が開き胸郭に作用するため呼吸が深くなる
- 自分で触れることのできない背中の部分がマッサージされる
- 高さを利用し可動域を広げられる
- 楽な動作で固まった筋肉を緩められる
- 不安定さをカバーしようとするため体幹が鍛えられる
- 続けることで姿勢が改善されることが期待できる
- 肩こりの改善が期待できる
道具を使うと体を未知の領域で動かせるようになります。楽な動作で十分なストレッチ効果を得ることができ、知らず知らず体幹を鍛えることもできます。
慣れてきたらもう少し難しい姿勢に挑戦することもできますし、ストレッチだけでは物足りない方は筋トレにシフトしていくこともできます。
自分次第で色々な使い方ができるのも、ストレッチポールの魅力と言えますね。
ポールは場所をとらず保管でき、軽いのでお子さんも女性も楽に持ち運ぶことができます。
しなやかな身体を目指す方はぜひ使ってみてはいかがでしょうか。
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