こんにちは、スイミングインストラクターのきゃめるんです。今回は水泳初心者の方へ向けて、けのびのポイントを解説したいと思います。伏し浮きができたら、次は綺麗なけのびの姿勢がとれるようにステップアップしていきましょう。
この記事で分かること!
- けのびの良い姿勢のつくりかた
- けのびの時の呼吸のコツ
- 壁をけってけのびをする方法とコツ
伏し浮きについては↓こちらの記事を参考にしてください!
けのびの姿勢をつくろう!
けのびと伏し浮きの違い
伏し浮きとは、顔を水につけリラックスした状態で浮く事です。リラックスできる体勢というのは人によって違いますので、両手両足が真っすぐ伸びていても曲がっていても、多少足が下がっていても、腕が広がっていても、とにかく水に浮いていれば伏し浮きと言えます。水に対する恐怖心が抜けて伏し浮きができるようになると、泳ぎに一歩近づいたという感じですね。
それに対し「けのび」は手先から足先までを真っすぐ伸ばし、できるだけ水の抵抗を受けないよう水面に対しフラットな姿勢を保ちながら、壁を蹴って進むことを言います。泳ぎの基本となる姿勢です。体がかたいと良い姿勢がとれませんので、美しいけのびの姿勢をつくるには柔軟性が必要になりますね。
けのびの良い姿勢とは?
水中では姿勢次第で抵抗の受け方が変わってきます。できるだけ水の抵抗を受けないようにするには、流線形をつくらなければなりません。この姿勢をストリームラインと言います。
↑この画像のように、両手を指先まで真っすぐに重ねたら、腕で頭の後ろ側を挟むようにします。この時、肩周りがかたいと腕が耳や顔の前に来てしまったり、肘が曲がって広がり良い姿勢がつくれません。
腕を水面まで上げようとすれば頭が上がり、それに伴い腰や足も下がりますし、頭をさげようとすれば腕が下がります。どちらにしても大きく水の抵抗を受けてしまいます。
また、全身に力が入り手首や腰が反り返っていては良い姿勢がとれませんので、「力み」がなくなるようリラックスして浮きます。「力み」がとれると泳ぎの上達にも繋がりますので、繰り返し練習しましょう。
どうしても体がかたくて姿勢をつくることができない場合は、ビート版を持って肩幅ほどに両腕を広げて、真っすぐ伸ばす練習から始めても良いです。
良い姿勢とは!
両手の指が真っすぐになるように重ねたら、しっかりと両腕で頭の後ろ側をはさみ、浮いた時に頭が水没するようにします。手先から足先まで真真っすぐ伸ばし、ストリームラインをつくります。
けのびをする時の呼吸法
ストリームラインができるようになったら、呼吸のポイントをおさえましょう。
息を吐いたら深く息を吸って、肺に空気を溜めます。肺が浮袋の役目をしてくれますので、肺に空気が溜まっていると体がとても浮きやすくなります。良い姿勢で浮くことができたら、鼻から少しずつ息を吐きながらゆっくりと立ち上がりましょう。一気に吐き出さず少しずつ、小さな泡がプクプクと出るようにすると長く浮いていられます。
壁をけってスタートしよう!
しっかりと壁をけることができれば、その勢いで数メートル進むことができます。しかし初心者の方には少し難しく感じるかもしれませんので、上手くスタートするためのポイントを紹介します。
失敗の原因を知ろう
まず、うまく壁をけることができない原因をあげてみます。
- スタンバイの位置が壁から遠過ぎて、足が届かない。
- 姿勢が決まらないうちに壁をけろうとする。
- 足が壁にグリップしないうちにけるので、滑ってしまう。
- 片足でける。
こういったことが考えられます。これを一つ一つクリアしていけば良いのですが、それにはコツがありますよ!
片方の膝を軽く曲げ、足の裏が壁につく位置に立ちます。近過ぎても遠すぎてもうまくけることができないので、壁との距離感をつかみましょう。
慌ててスタートしようとする人は、まだ顔が水の上に出ているのに壁をけろうとします。まずは水中でけのびに向けた体勢を整えることが必要です。
両手を前に置き、息を吸ったら顔を水に入れるのと同時に両足をかべに付けます。(まだけりません!)
両腕で頭の後ろ側をはさむ姿勢をつくり、両足の土踏まずより前の部分がしっかりと壁にグリップしていることを確認します。
上半身がプールの底と平行になっていれば、ようやく準備完了!両足同じ力で壁をグーンと押しましょう。
発展
上手に壁をけられるようになったら、今度は水中に潜ってからスタートする練習をしてみましょう。
基本的なやり方は同じです。
両手を前に置き息を吸ったら、反動をつけてグッと深く潜り、潜った状態で頭の後ろ側をはさむ姿勢をつくってから壁をけります。
しっかり反動をつけないとすぐに浮いてきてしまうので、思い切って潜ってみましょう。
泳ぎを覚えてからも同じように水中で壁をけってスタートしますので、うまくできるようにしておくと次に繋がっていきます。
注意点
水深の浅いプールでは、反動をつけて潜った時に膝を底に打ってしまったり、角度が悪いと顔や胸が底に当たってしまう場合がありますので、状況に応じて加減しましょう。
両足が壁にグリップしていても、腰が反っていたり上半身が立っていてはうまくスタートすることが出来ず、すぐに水面に出てしまいますので、プールの底と上半身が平行になっている事を確認してからスタートしましょう。
とにかく、慌てないことが大事です!
けのびキックをしてみよう!
スタートの仕方を覚えたら、壁をけった時の推進力を利用してバタ足をしてみましょう。軽く膝を曲げて、上下に振ってみます。足首が固まらないようにリラックスして行いましょう。あくまでも壁をけった勢いを活かすためのバタ足なので、必死でバタバタと動かさず、呼吸が苦しくなる前にゆっくりと立ち上がって仕切り直します。
「なかなか前に進まない」と焦ることはありません。けのびの良い姿勢=ストリームラインをつくることが優先ですので、この段階でのキックはオマケです!
けのびキックができるようになったら、面かぶりクロールに挑戦してみましょう。こちら↓の記事を参考にしてみてください!
まとめ:水泳初心者のための【けのび講座】
けのびは良い姿勢=ストリームラインをつくることが大切です。体がかたい人はストレッチなどで柔軟性を持たせることが必要になります。どうしても姿勢をとりにくい場合は、ビート版を使う練習から始めてみましょう。
息を吸ったら肺に空気を溜めた状態で水に浮きます。肺が浮袋の役割をしますので、一気に吐き出さないように初めは止めておき、少しずつ鼻から吐きます。
姿勢がとれるようになったら、壁をけってスタートします。慌てずしっかりと両足をグリップさせ、ストリームラインをつくってから壁をけるようにしましょう。慣れてきたら水中に潜って同じ動作を行います。
壁をけって進むことができるようになったら、その推進力を利用してバタ足をしてみましょう。力を入れず軽く膝を曲げて上下に振るだけです。これはオマケ。
けのびは全ての泳ぎの基本姿勢になりますので、良い姿勢が身につくように練習しましょう。
これからも水泳にチャレンジする人たちを応援しています!
コメント