こんにちは、スイミングインストラクターのきゃめるんです。地域大会・全国大会・国際大会において、アリーナのレーシング水着である「アクアフォースストーム」を着用している選手が大勢います。どうしてそんなに人気があるの?高額だけど買う価値あるの?と迷っている方も多いと思います。今回の記事では、実際ジュニア選手がアクアフォースストームを着用して泳いだ感想やはき心地などをレビューしたいと思います。購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
アリーナのアクアフォースストームとは?
アリーナから公式大会で着用可能なWA承認のレーシング水着が数多く出ています。機能・デザインともに素晴らしい商品がたくさんあります。中でも「AQUAFORCE STORM」を着用する選手が大変多いなという印象があります。
アクアフォースストームはアリーナ史上初のねじり構造が特徴で、選手自ら水着をねじって着用することで股関節内旋動作をサポートし、パフォーマンスを向上させるというものです。股関節内旋動作というと聞きなれない方も多いかもしれませんが、簡単に言うと内股にしやすくなるということです。人はリラックスしていると膝が外側に開いていく傾向があるのですが、水泳の場合はキックを打つ時に少し内股にして動かすのです。この動作を水着がサポートしてくれるためパフォーマンスが向上するというものです。体がかたい人は内股にするのが意外と困難であるため、効率的なキックが打てないということがあります。しかしこの水着を着用するほどの競泳選手であればかなり効率的にキックを打っていると思いますので、その中でこの機能がどれだけ効果があるのか非常に気になるところです。
撥水仕様で水を含みにくいため、泳ぎやすいという特徴があります。公式大会出場に必要な国際水泳連盟ワールドアクアティクスの承認を受けた水着です。
どんな種類があるの?
MF(MOTION FREE)
身ごろに切り替えがない、つまり縫製がない1パーツで構成されることにより、泳動作時の素材の伸びを妨げず、且つ軽量化を図っています。
65%の選手が1回のストロークで進む距離が向上したとの研究結果があるとのこと。もちろん個人差はあります。
CP(CONTROL POSITION)
臀部からハムストリングにかけて配置したグリップテープにより、アップキックをサポート、力強いキックを持続させます!
男女の異なるニーズに合わせて生地やテープを配置。69%の選手が1回のキックで進む距離が向上したとの研究結果。個人差はあります。
MF・CP両モデル共通の機能
レディース
<アリーナダブルストラップ理論>
肩紐を2本にすることで1点にかかる圧を2点に分散するという理論を採用することにより、肩に感じる負担を減らし、よりよい着心地を実現しています。
<胸の膨らみをコントロール>
レディース胸裏地は異素材切り替えを採用。胸下部にはパワーのある布帛素材「アクアフォース フィルム12」を配置してバスト下部をしっかりと抑え、胸上部には伸縮性のある「アクアフォース K フィルム」を斜めに配置。バスト上部を脇に逃がすことで胸の膨らみを軽減しています。
胸の膨らみを小さくすることで、流水抵抗(投影面積)を約1.3%軽減。こちらも個人差あります。
メンズ
<シリコンテープとウエスト紐一体型テープを搭載!>
従来モデルよりフラットな使用になっています。
<裾部分のシリコンテープで水着のずれを軽減>
裾の折り返しをなくすことで、従来モデルよりフラットで動かしやすい仕様に改善されました!
アクアフォースストームの価格は?
デサントストアで購入することができますが、やはりAmazonや楽天で購入する方がお安いです。
レディース レーシングワンピーススパッツ
MF/CPともに43,780円(デサントストア)
ジュニア レーシングワンピーススパッツ
MF/CPともに43,230円(デサントストア)
メンズ レーシングスパッツ
MF/CPともに30,800円(デサントストア)
ジュニア レーシングスパッツ
MF/CPともに30,250円(デサントストア)
触りごこち
機能の説明を読んでもよく分からない部分が多いと思いますので、ここからは実際に手にしてみてどうなのかを紹介します。ジュニアレーシングスパッツMFを数回レースで着用しました。男子中学生です。
<母の感想>
触った感じは驚くほど薄くて柔らかく軽いです。レーシング水着はそもそも生地が強くてシャープな作りになっていますが、これで締め付けられる?と思うほど生地自体は薄いと感じます。ジップつきのポリ袋と比べても水着の方が薄い感じがします。ウエストと裾部分のシリコンテープが肌にグリップしそうだなという印象で、パリッとしていてその部分だけ重さはありますがそれでも全体的には軽いです。一度はいてしまえばずれることはなさそうだなと思います。アクアフォースXと比べると、ウエストのテープ部分が薄く細くなった(幅が狭くなった)ようです。
*ちなみに↓アルティメットアクアフォースX
アクアフォースXも使用しています。
アクアフォースストームのはき心地
着用している本人の感想(中学生男子)
「ウエストと裾部分のシリコンテープがやはり肌にグリップして、はいていてまったくずれることはないです。このテープの部分が今まではいてきた水着との決定的な違いだと思います。それ以外で、はいていて他の水着と全然違うと感じるところは特にありません。生地の部分は、フィットしているけれど締め付けられている感じはないです。バタフライと自由形のレースで着用しましたが、股関節が動かしやすいのでキックを打つのにも違和感がなかったです。水をはじいて泳ぎやすく、良い水着だと思います。値段は高いけど買う価値はあると思います」
*語彙力が低いため生地と同じくらい感想も薄くて申し訳ございません。
ねじり構造というくらいなので、はいたらぎゅっとしめつけられる感覚があるのかな?と思っていたのですが、思いのほかはいている本人は締め付けを感じないと言うので驚きました。生地の薄さと柔らかさが、フィット感と締め付けのちょうど良いところをとっているのだと思います。レースの前に試しばきしましたが、実際のレースの時は緊張していたりアドレナリンが出ていて、はき心地を堪能するどころではないでしょうね。
水着を着用するときに使うグローブをいつも持っているのですが、それは使わず素手で少しずつ上げていく方がはきやすいとのことです。しかし慣れていない方や爪が気になる場合はやはりグローブの使用をおすすめします。
アクアフォースストームの着用方法は?
レーシング水着を着用するときは、むやみに引っ張らないように丁寧に扱わなければなりません。簡単には破れませんが、ちょっとしたミスで使えなくなってしまっては困りますし、着用の仕方を間違えるとせっかくの機能が発揮されないということにもなりかねませんので、事前にしっかりと勉強しておくことをおすすめします。レース前に慌てて着用することがないように、練習しておくと良いでしょう。
初めに裾とウエスト部分を折り返します。このシリコンが肌にグリップしますので、そのままだとなかなかあがっていきませんので注意が必要です。
動画でも確認できますが、テープの位置がポイントになります。(この画像はcpなので後ろ側に位置しています)普通にはいていくと前側のテープが太ももの中央あたりにきます。裾部分に目印のステッチがありますので、この位置が太ももの内側にくるように合わせてから少しずつ上げていきます。これがねじりながら着用するということですね。ねじりながら着用することにより、先に述べたように股関節内旋動作をサポートしパフォーマンスを向上させるというものです。これを知らずに真っすぐ着用してしまうと効果が得られないと思いますので、事前に確認しておきましょう。
少しずつ上げていったら初めに折り返していた裾とウエスト部分を戻します。ウエストの紐を一回結びしてからサイドに持っていき挟み込みます。この時、結ぶ前に紐を引っ張ってしまうと生地が破れる場合がありますので、必ず結んでから引っ張ります。男子選手は破れてしまった経験のある人も多いかもしれませんが、引っ張る方向が大事なのです。しつこいほど言いますが、引っ張ってから結ぶのではなく必ず結んでから引っ張ってください。
まとめ
着用した本人がとても良いと言って気に入っているので、買ってよかったなと思います。このシリーズの水着は相性も良いようで、納得のいくレースができて狙った記録も出ているので、今後も使い続けると思います。春季ジュニアオリンピックの標準記録を突破した時もアクアフォースストームを着用していましたので、やはり良い印象があります。
競技大会に出始めたばかりの選手には少しハードルが高い水着かもしれません。着用する練習が必要だったり価格も高額であるため、経験と年齢を重ねたうえで家族で相談しながら購入するかどうか検討する必要があると思います。数年レース経験を積み、高いレベルを目指すところにいる選手であればぜひ使ってみると良いと思います。自信を持ってレースにのぞむことができるよう、精神的にも機能的にもきっと後押しをしてくれるものだと思いますので、私はおすすめします。
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